「未来」

 
 
 「お魚さん」
オーイ、お梅ちゃん?
 
   
 「お梅ちゃん」
お早う、お魚さん
「お魚さん」
お梅ちゃん何をしていたの?
「お梅ちゃん」
うん、石を上手に積む練習をしていたの、
「お魚さん」
そうか、趣味の邪魔をしたくないから、
また、出直してくるよ、
 
   
   
   
   
   
   
   
 「お梅ちゃん」
どうかしたの?
「お魚さん」
いいや、たいしたことではないけれど、
ちょつと考えたことがあってね、
それはね、お梅ちゃんはこれまで多くの大切な
ものを失ってきたのにめげないで強いから
小さくても気丈ですごいなぁと思っているのだよ、
 
   
 「お梅ちゃん」
ハイ、私ね、笑顔で頑張れたらいいと
思って頑張ろうと決めているの、
「お魚さん」
偉いね、小さいのによくそういう考えが
見つかったね。
「お梅ちゃん」
ハイ、きっとお魚さんを見ていて
そんな気持ちになったの、
「お魚さん」
そんな、照れるよ、本当かなぁ
「お梅ちゃん」
本当です。
 
   
 「お魚さん」
本当にお梅ちゃんは素直で良い子
だよなぁ
 
   
 「お魚さん」
でも、なんで天国から迎えがこないの
かなぁ、いつも考えてしまうよ、
あんな良い子なのに、
 
   

 
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